抗血栓薬と消化器内視鏡の新しいガイドライン-正しい理解・適切な運用のために
抗血栓薬関連消化管障害 病態・診療の要点・予防策 胃・十二指腸粘膜傷害
渡辺 俊雄
1
,
谷川 徹也
,
灘谷 祐二
,
富永 和作
,
藤原 靖弘
,
荒川 哲男
1大阪市立大学 大学院医学研究科消化器内科
キーワード:
Aspirin
,
胃潰瘍
,
十二指腸潰瘍
,
消化性潰瘍出血
,
消化性潰瘍治療剤
,
生検
,
消化器系内視鏡法
,
診療ガイドライン
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
休薬
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Aspirin
,
Anti-Ulcer Agents
,
Biopsy
,
Duodenal Ulcer
,
Peptic Ulcer Hemorrhage
,
Stomach Ulcer
,
Endoscopy, Digestive System
,
Practice Guidelines as Topic
pp.61-67
発行日 2013年12月20日
Published Date 2013/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014087314
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抗血栓薬,とくに低用量アスピリン(LDA)は高頻度に上部消化管粘膜傷害を惹起するが,消化管出血が本傷害のもっとも重要な合併症である.LDAによる消化管粘膜傷害にはシクロオキシゲナーゼ阻害によるプロスタグランジン産生抑制作用と,"topical effect"と称されるアスピリンの上皮細胞に対する直接作用が関与する.LDAによる上部消化管粘膜傷害に対しては,プロトンポンプ阻害薬の有効性を示すエビデンスが集積されつつある.2012年に日本消化器内視鏡学会が「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」を作成し,抗血栓薬継続下での出血高危険度内視鏡を許容した.しかし,本ガイドライン中の多くのstatementは質の高いエビデンスに基づいておらず,今後の検証が必要である.
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