特集 エキスパートに学ぶ、安全で楽な外来内視鏡
抗血栓薬の特徴と内視鏡時の対応
中村 孝彦
1
,
上堂 文也
,
浜本 順博
1大阪府立病院機構大阪国際がんセンター 消化管内科
キーワード:
Antithrombins
,
Aspirin
,
Heparin
,
Warfarin
,
血栓塞栓症
,
消化管出血
,
生検
,
抗血栓剤
,
多剤併用療法
,
消化器系内視鏡法
,
リスク
,
出血-術後
,
Purinergic P2Y Receptor Agonists
,
外来診療
,
血液凝固因子Xa阻害剤
,
休薬
Keyword:
Antithrombins
,
Aspirin
,
Biopsy
,
Heparin
,
Drug Therapy, Combination
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Fibrinolytic Agents
,
Risk
,
Endoscopy, Digestive System
,
Postoperative Hemorrhage
,
Thromboembolism
,
Warfarin
,
Ambulatory Care
,
Factor Xa Inhibitors
,
Purinergic P2Y Receptor Agonists
pp.973-981
発行日 2021年6月25日
Published Date 2021/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021304948
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高齢者の増加により、外来で抗血栓薬服用者に内視鏡を施行する機会が増えている。抗血栓薬服用者は出血・血栓症発症の高危険群である。内視鏡周術期の抗血栓薬の取り扱いは、内視鏡の出血リスクと患者の血栓リスクとのバランスにより決定する。抗血栓薬は抗血小板薬(アスピリンとチエノピリジン系薬剤など)と、抗凝固薬[ワルファリンと直接経口抗凝固薬(DOAC)]に大別される。観察、生検や出血低危険度の内視鏡では、抗血栓薬はすべて継続する。出血高危険度の内視鏡ではアスピリンは継続、チエノピリジン系薬剤はアスピリンに置換する。ワルファリンはプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)治療域での継続、ヘパリン置換、またはDOAC置換のいずれかで処置する。DOACは当日朝から中止し、翌日から再開する。抗血栓薬併用例では内視鏡の延期を考慮し、困難であれば各薬剤への対応に準じる。原則としてガイドラインを遵守するが、個別リスクに応じて多職種間の討議により方針を決定することが重要である。
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