抗血栓薬と消化器内視鏡の新しいガイドライン-正しい理解・適切な運用のために
処方医側から見た新ガイドライン 脳卒中診療医の視点
矢坂 正弘
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1国立病院機構九州医療センター 脳血管センター脳血管・神経内科
キーワード:
Heparin
,
インフォームドコンセント
,
血栓塞栓症
,
抗血栓剤
,
消化器系内視鏡法
,
リスク
,
診療ガイドライン
,
脳卒中
,
休薬
Keyword:
Fibrinolytic Agents
,
Heparin
,
Informed Consent
,
Risk
,
Thromboembolism
,
Endoscopy, Digestive System
,
Practice Guidelines as Topic
,
Stroke
pp.45-52
発行日 2013年12月20日
Published Date 2013/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014087312
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抗血栓薬を観血的手技時に中止すれば血栓・塞栓症のリスクが高まり,継続すれば出血リスクが上昇するので,観血的手技時の抗血栓薬管理は臨床現場で問題となる.とくに抗凝固療法を中断すると約1%の頻度で脳梗塞を発症し,しばしば重篤で転帰は不良である.日本消化器内視鏡学会のガイドラインが大きく改訂され,出血性合併症を避ける立場から,出血性合併症と血栓・塞栓症の両方を避ける立場を重視し,欧米のガイドラインに近い内容に変更された.内視鏡検査や治療の侵襲度に合わせて,抗血栓薬の種類ごとに継続,中止,ヘパリンによる抗血栓薬の橋渡し療法の可否が記され,抗血栓薬の併用時の対処方法にも言及されており,臨床現場での有益な指針になることが期待される.
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