大腸内視鏡治療と抗血栓薬-新ガイドラインの妥当性
ガイドライン改訂後の現状 循環器専門医の本音
掃本 誠治
1
,
小川 久雄
1熊本大学 大学院生命科学研究部循環器内科学
キーワード:
Aspirin
,
Warfarin
,
血栓症
,
大腸内視鏡法
,
心筋梗塞
,
ステント
,
大腸腫瘍
,
診療ガイドライン
Keyword:
Aspirin
,
Colonoscopy
,
Myocardial Infarction
,
Thrombosis
,
Warfarin
,
Stents
,
Colorectal Neoplasms
,
Practice Guidelines as Topic
pp.445-452
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015022216
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循環器領域において狭心症,心筋梗塞,末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)などの動脈硬化性疾患に対する抗血小板薬,あるいは心房細動,心臓弁膜症に対する人工弁置換術後などの抗凝固薬は必須の抗血栓薬である.経過中に消化管出血の合併症や,あるいは消化器系の悪性腫瘍がみつかり,消化器内科医,外科医にお世話になることがあるが,非心臓手術時の抗血栓薬の中止は血栓塞栓症のリスクを上昇させる.血栓塞栓症の発症を予防し,かつ出血性偶発症のリスクを増加させない抗血栓療法の安全域と中断の期間に関するエビデンスは少なく,出血傾向や血栓塞栓症のリスクは個人,あるいは同じ個人でも疾病の時期,病勢によっても異なるであろうし,さらに人種によっても異なる可能性があるため,絶対的な安全域を設定することは非常に困難と思われる.このため,日常診療における循環器医と消化器医のお互いの連携が重要である.
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