特集 消化管内視鏡治療-基本から高難度まで
抗血栓薬服用患者への対応
中村 孝彦
1
,
上堂 文也
1大阪府立病院機構大阪国際がんセンター 消化管内科
キーワード:
Antithrombins
,
Aspirin
,
Warfarin
,
胃鏡法
,
胃造瘻術
,
血栓塞栓症
,
大腸ポリープ
,
食道胃静脈瘤
,
ステント
,
抗血栓剤
,
多剤併用療法
,
消化器系内視鏡法
,
リスク
,
血小板凝集阻害剤
,
失血-外科
,
周術期管理
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
Thienopyridines
,
血液凝固因子Xa阻害剤
,
内視鏡的食道胃静脈瘤結紮術
Keyword:
Perioperative Care
,
Antithrombins
,
Aspirin
,
Drug Therapy, Combination
,
Fibrinolytic Agents
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Esophageal and Gastric Varices
,
Gastroscopy
,
Gastrostomy
,
Stents
,
Risk
,
Colonic Polyps
,
Blood Loss, Surgical
,
Endoscopy, Digestive System
,
Platelet Aggregation Inhibitors
,
Thromboembolism
,
Warfarin
,
Factor Xa Inhibitors
,
Thienopyridines
pp.17-24
発行日 2021年11月10日
Published Date 2021/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2022030434
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高齢者の増加により、抗血栓薬服用者に内視鏡治療を行う機会が増えている。抗血栓薬服用者は出血・血栓症発症の高リスクである。内視鏡治療は、手技の種類や患者のもつ併存疾患により、基本的に出血のリスクがある。さらに、内視鏡治療が抗血小板薬や抗凝固薬の服用患者に行われると、術中出血や後出血のリスクはさらに上昇する。抗血栓薬の中断が出血リスクの低下に効果があることは間違いないが、その中断後に生じる血栓塞栓リスクを過小評価すべきではない。したがって、各医師は、内視鏡手技ごとの出血リスクと患者の血栓リスクを十分に評価し、各患者についてリスクとベネフィットのバランスをはかる必要がある。さらに、内視鏡治療前の抗血栓薬の適切な管理と再開の適切なタイミングについての知識が不可欠である。内視鏡治療にあたっては原則ガイドラインを遵守するが、個別リスクに準じて多職種間の討議により方針を決定することが重要である。
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