大腸内視鏡治療と抗血栓薬-新ガイドラインの妥当性
ガイドライン作成の目的と概念
岩切 龍一
1
1佐賀大学 医学部光学医療診療部
キーワード:
Aspirin
,
Heparin
,
Warfarin
,
血栓塞栓症
,
大腸内視鏡法
,
消化管出血
,
多剤併用療法
,
リスク
,
診療ガイドライン
,
Dabigatran
,
休薬
Keyword:
Aspirin
,
Dabigatran
,
Drug Therapy, Combination
,
Colonoscopy
,
Heparin
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Risk
,
Thromboembolism
,
Warfarin
,
Practice Guidelines as Topic
pp.431-436
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015022214
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消化器内視鏡を用いた検査・治療技術は日々進歩しており,対象となる疾患・患者は増加している.一方,本邦においては急速な社会の高齢化と食生活の欧米化に伴い,動脈硬化に起因する疾患は増加の一途をたどっている.従来の「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」は,血栓症発症リスクを考慮せずに抗血栓薬の休薬による消化器内視鏡後の出血予防を重視したものであった.2012年に改訂されたガイドラインでは抗血栓薬を持続することによる消化管出血だけでなく,休薬による血栓塞栓症の誘発にも配慮された.しかし,十分なエビデンスに基づいたものではないので,抗血栓薬内服下での生検・内視鏡処置が一律に緩和されたものとは解さずに,止血操作ができない環境では生検を避けるなど状況に応じた判断も必要である.
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