胃癌リスク診断を巡って-現状と問題点
胃癌リスク診断の臨床疫学的課題
渡邊 能行
1
,
水野 成人
,
松川 泰子
,
廣畑 弘
,
尾崎 悦子
,
栗山 長門
1京都府立医科大学 大学院地域保健医療疫学
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃腫瘍
,
細菌抗体
,
集団検診
,
腹部X線診断
,
リスク評価
,
腫瘍の早期診断
Keyword:
Antibodies, Bacterial
,
Mass Screening
,
Radiography, Abdominal
,
Stomach Neoplasms
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Risk Assessment
,
Early Detection of Cancer
pp.1097-1100
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013284976
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わが国では胃癌に対する血清学的スクリーニングとして血清Helicobacter pylori抗体価測定とペプシノゲン法を併用して,胃癌罹患の高危険群に対しておもに胃内視鏡検査による画像診断を実施するいわゆる胃がんABC検診が広まりつつある.その胃癌のリスク診断については,A群からD群へと,慢性萎縮性胃炎の進展順にリスクの上昇が認められているわが国における複数の観察的疫学研究があり,根拠としての疫学的証拠はすでに得られている.しかし,その胃癌死亡率の減少効果は未だ示されていないので,症例対照研究やコホート研究といった観察的疫学研究を用いてABC検診についての科学的根拠を実証していくことが急務である.
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