発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2017084634
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54歳男。呼吸困難を主訴とした。糖尿病性腎機能障害のため7ヵ月前に腹膜透析導入後、徐々に体重増加傾向を認めていた。胸部X線では右側誘引の胸水および心拡大を認めたが、胸水中の糖濃度は高値を示さずうっ血性心不全と診断した。連日の胸腔穿刺による胸水除去でも体重増加は改善しなかったが、第7病日より腹膜透析を中断し血液透析を開始すると体重は入院時の80kgから64kg前後まで減量し右胸水も消失した。第37病日より再度腹膜透析を再開したが、除水不全傾向・体重増加傾向であり、再度右側胸水増加を呈してきた。透析液中液バッグに99mTc-MAAを混注させてシンチグラフィーを施行した結果、数分のうちに99mTc-MAAの右胸部への集積所見を認め、横隔膜交通症と診断した。腹膜透析を中止して血液透析に移行後は胸水が消失し、第56病日に自宅退院した。
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