透析患者の悪性腫瘍の早期発見と予防
透析患者の悪性腫瘍の危険因子と予防対策 HIVと悪性腫瘍 腎臓障害と悪性腫瘍の実態について
柳澤 如樹
1
,
安藤 稔
1がん・感染症センター都立駒込病院 感染症科
キーワード:
HIV Infection
,
危険因子
,
血液透析
,
腫瘍
,
腎不全-慢性
,
有病率
,
予後
,
Cystatin C
Keyword:
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Neoplasms
,
Risk Factors
,
Prognosis
,
HIV Infections
,
Prevalence
,
Cystatin C
pp.47-52
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015138780
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HIV感染者の生命予後は,抗HIV薬による多剤併用療法の登場で劇的に改善したが,一方で長期生存者における慢性期の合併症が新たな問題として出現してきた.そのなかでも,慢性腎臓病(CKD)や,非エイズ指標悪性腫瘍は,重要な合併症として注目されている.本邦のHIV感染者におけるCKD有病率は,多施設共同調査で15.8%であることが明らかになった.維持透析患者のHIV陽性率は0.024%と推定され,透析導入された患者の生命予後は良好であった.現状では,維持透析中のHIV感染者での悪性腫瘍合併例は少数と考えられるものの,今後HIV感染者の高齢化に伴い,患者数が増加する可能性は十分予想される.
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