透析患者の悪性腫瘍の早期発見と予防
透析患者の悪性腫瘍の危険因子と予防対策 甲状腺がんの早期発見
山本 貴之
1
,
冨永 芳博
1名古屋第二赤十字病院 移植外科・内分泌外科
キーワード:
危険因子
,
血液透析
,
甲状腺腫瘍
,
副甲状腺機能亢進症-続発性
,
腎不全-慢性
,
乳頭状癌
,
発生率
,
腫瘍の早期診断
Keyword:
Carcinoma, Papillary
,
Hyperparathyroidism, Secondary
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Risk Factors
,
Thyroid Neoplasms
,
Incidence
,
Early Detection of Cancer
pp.53-57
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015138781
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本邦の透析患者は高齢化し,それに伴い悪性腫瘍への対策の重要性が増している.透析患者では二次性副甲状腺機能亢進症を高率に合併することから,この評価のために頸部に対する画像評価を行う機会が多い.一方,透析患者では甲状腺がんが一般健常人に比べ発生率が高いことが明らかになってきている.とくに,高齢と透析期間が長いことがそのリスク因子であることが報告されてきており,副甲状腺の評価だけではなく,甲状腺の病変にも留意する必要がある.また,甲状腺がんのなかでも透析患者では一般健常人と比較しより悪性度が高いとされる多病巣性甲状腺乳頭がん(multifocal PTC)の頻度が高いことも報告されてきており,早期発見,早期治療が重要である.
Copyright © 2015, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.