すべての内科医のためのHIV感染症-長期管理の時代に HIV感染症の合併症 非AIDS指標疾患を中心に
腎障害
日ノ下 文彦
1
1国立国際医療研究センター病院 腎臓内科
キーワード:
HIV Infection
,
危険因子
,
血液透析
,
発生率
,
有病率
,
感染予防管理
,
抗HIV剤
,
遺伝的素因(疾患)
,
慢性腎臓病
,
組織診
Keyword:
Renal Dialysis
,
Risk Factors
,
Incidence
,
Prevalence
,
HIV Infections
,
Infection Control
,
Anti-HIV Agents
,
Genetic Predisposition to Disease
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.777-781
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016024548
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抗HIV薬による多剤併用療法(antiretroviral therapy:ART)のおかげでHIV感染症の予後は著しく改善し,中高年のHIV感染患者が増えた結果,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の合併が増加し末期腎不全にいたる症例が増えつつある.日本人ではHIV関連腎症(HIV-associated nephropathy:HIVAN)が少なく,むしろ通常の慢性糸球体腎炎や腎硬化症が原因のCKDが多く,CKDの進行を防ぐため,今後は感染症医と腎臓内科医の緊密な連携が必要である.また,HIV陽性透析患者の増加に対応するため,維持透析施設でも進んで患者を受け入れられるようにしていかねばならない.
©Nankodo Co., Ltd., 2015