透析患者の悪性腫瘍の早期発見と予防
透析患者の悪性腫瘍の危険因子と予防対策 後天性嚢胞腎と腎がん
早見 典子
1
,
星野 純一
1虎の門病院腎センター 内科
キーワード:
危険因子
,
血液透析
,
集団検診
,
腎細胞癌
,
腎臓切除
,
超音波診断
,
腎不全-慢性
,
X線CT
,
腎嚢胞
,
アジュバント化学療法
,
腫瘍の早期診断
Keyword:
Carcinoma, Renal Cell
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Nephrectomy
,
Mass Screening
,
Risk Factors
,
Ultrasonography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Kidney Diseases, Cystic
,
Early Detection of Cancer
pp.65-71
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015138784
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透析患者では腎がんの発生率が高いことが知られている.後天性?胞腎(acquired cystic disease of the kidney;ACDK)は透析期間とともに増加し,腎がんの危険因子となる.ACDKを背景とした腎がんは男性,長期透析患者が多いという特徴がある.無症状で発見された場合のほうが予後良好であり,定期的な腎がんスクリーニングが重要である.ACDKの腎がん組織ではACD関連腎がんがもっとも多く,次いで淡明細胞乳頭状腎がん,乳頭状腎がんが多い.これらの組織型は造影CTで典型的な造影効果を示さない場合があること,ACDKを背景としていることより画像診断が困難である.治療としては可能であれば手術による根治を目指し,手術による根治が困難な場合には分子標的薬を含む薬物治療が選択される.
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