特集 病態から考え出されたIBD治療の進歩
Ⅸ.経口α4インテグリン阻害薬
松岡 克善
1
,
渡辺 守
1
1東京医科歯科大学消化器内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
炎症性腸疾患
,
α4 インテグリン
,
リンパ球トラフィキング
,
進行性多巣性白質脳症
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
炎症性腸疾患
,
α4 インテグリン
,
リンパ球トラフィキング
,
進行性多巣性白質脳症
pp.273-276
発行日 2018年5月20日
Published Date 2018/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000200
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炎症部位へのリンパ球浸潤は,炎症部位における血管内皮細胞上に発現する接着分子と,リンパ球上に発現するintegrin の組み合わせによって臓器特異性が担保されている.腸粘膜固有層へのリンパ球浸潤を阻害することが炎症性腸疾患の有望な治療法であることが示されている.AJM300 は経口の低分子α4integrin 阻害薬である.第2a 相試験において,中等症の潰瘍性大腸炎患者に対して有効性を示しており,今後新たな治療選択肢と登場することが期待されている.一方で,α4 integrin 阻害薬の重篤な副作用である進行性多巣性白質脳症に対する細心の注意が必要であると考えられる.
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