特集 大腸Ⅱc─症例アトラス
Ⅲ.Ⅱcについての最新の話題(2)Ⅱcの遺伝子学的特徴
神山 勇太
1
,
工藤 進英
1
,
小川 悠史
1
,
望月 健一
1
,
加藤 一樹
1
,
工藤 孝毅
1
,
一政 克朗
1
,
宮地 英行
1
,
三森 功士
2
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
2九州大学病院別府病院外科
キーワード:
陥凹型大腸癌
,
次世代シークエンサー
,
遺伝子変異
,
染色体コピー数変異
Keyword:
陥凹型大腸癌
,
次世代シークエンサー
,
遺伝子変異
,
染色体コピー数変異
pp.226-229
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000593
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大腸癌のメインルートはadenomaから発生すると考えられてきたが,平坦型や陥凹型大腸癌が発見されるようになり,そうした病変から大腸癌が発生することが認識されてきた.これまで,陥凹型大腸癌の分子生物学的特徴は十分に解明されていない.今回,われわれは陥凹型T1癌19例に対し,エキソームシークエンスおよびRNAシークエンスを施行し,隆起型T1癌と比較検討し報告した.KRAS変異率は5%と隆起型50%に比べて少なかった.一方で,13番染色体の増幅は多くの陥凹型で見られた.RNA発現は上皮間葉転換や血管新生関連の遺伝子発現が有意に高く,またFGF14やIGF2といった増殖因子の発現の上昇を認め,増殖や転移に寄与している可能性が示唆された.
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