特集 大腸癌のスクリーニングとサーベイランスの標準化に向けて─ 新しい知見から
Ⅱ.サーベイランス(4) 家族性大腸腺腫症とリンチ症候群の診療─「遺伝性大腸癌診療ガイドライン」2020 年版の紹介と活用のポイント
中島 健
1
1癌研有明病院臨床遺伝医療部
キーワード:
遺伝性大腸癌
,
家族性大腸腺腫症(FAP)
,
リンチ症候群
,
マイクロサテライト不安定検査
,
遺伝子パネル検査
Keyword:
遺伝性大腸癌
,
家族性大腸腺腫症(FAP)
,
リンチ症候群
,
マイクロサテライト不安定検査
,
遺伝子パネル検査
pp.98-107
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000556
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「遺伝性大腸癌診療ガイドライン」は2度目の改訂を迎えた.遺伝性大腸癌の代表例である家族性大腸腺腫症(FAP)とリンチ症候群を中心に取り扱っている.とくにリンチ症候群はFAPほど明確なphenotypeをもたないため,診断の手順が煩雑である.またそれぞれの確定診断に必要なAPC遺伝子,ミスマッチ修復遺伝子の遺伝学的検査も保険収載されていない.このようにガイドラインで提示されている診断手順が保険収載されていないことは大問題であるが,各施設にて自由診療をうまく組み合わせた診療体制を構築していただきたい.またそれぞれ非典型例も存在する.本稿では経験した症例と診療のポイントを提示したい.
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