特集 大腸腫瘍治療後のサーベイランス
8 .リンチ症候群のサーベイランス―消化管を中心に
千野 晶子
1
,
西川 雄輔
1
,
安江 千尋
1
,
井出 大資
1
,
斎藤 彰一
1
,
五十嵐 正広
1
1がん研有明病院下部消化管内科
キーワード:
リンチ症候群
,
大腸癌
,
内視鏡サーベイランス
Keyword:
リンチ症候群
,
大腸癌
,
内視鏡サーベイランス
pp.1025-1031
発行日 2018年6月20日
Published Date 2018/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000440
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リンチ症候群は,ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列の病的変異に起因する大腸癌ハイリスク群である.当院で大腸癌手術時に遺伝子診断された患者は,術後から1~2年に1回の内視鏡サーベイランスの指導を受ける.76例の検討で,サーベイランス中に発見された異時性大腸癌22症例30病変のうち,発見時にTis癌またはT1a癌で内視鏡治療で完治できた病変は16病変あり,1回前の検査間隔平均は14カ月(最短8カ月~最長36カ月)であった.一方,外科的手術の適応病変が発見された症例での検査間隔平均は74カ月(最短9カ月~最長240カ月)であった.半数(11症例)が24カ月以内の検査での異時性大腸癌の発見に繫がっていた.
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