特集 リンチ症候群と遺伝性消化管ポリポーシス
3.リンチ症候群(1)リンチ症候群の臨床―内科的立場から
中島 健
1
1がん研有明病院遺伝子診療部
キーワード:
リンチ症候群
,
大腸腺腫
,
早期大腸癌
,
大腸内視鏡
,
上部消化管内視鏡
Keyword:
リンチ症候群
,
大腸腺腫
,
早期大腸癌
,
大腸内視鏡
,
上部消化管内視鏡
pp.647-652
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000761
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リンチ症候群患者では,大腸癌罹患時において大腸全摘術が適応となる症例は少ないため,術後の残存大腸における異時性大腸癌のリスクが残存し,そのサーベイランスの責任は消化器内視鏡医が担うことになる.大腸以外の病変のうち胃癌,十二指腸癌や,さらに血縁者のサーベイランスに関しても同様である.日本の消化管癌内視鏡診断・治療のレベルは世界をリードしているが,その利点をリンチ症候群患者に還元するためにも,内視鏡医自身が当事者意識をもってその診療に積極的にあたっていただきたい.本稿では,最近の欧米の多施設での臨床研究データを紹介し,リンチ症候群の消化管癌のリスクについて概説する.
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