特集 大腸癌のスクリーニングとサーベイランスの標準化に向けて─ 新しい知見から
Ⅰ.スクリーニング(7)米国における大腸癌スクリーニングの現状
冨澤 裕
1
1米国ワシントン大学消化器内科
キーワード:
大腸癌スクリーニング
,
米国消化器病関連学会合同委員会
,
米国予防医学専門委員会
,
リスク層別化
,
若年大腸癌
Keyword:
大腸癌スクリーニング
,
米国消化器病関連学会合同委員会
,
米国予防医学専門委員会
,
リスク層別化
,
若年大腸癌
pp.58-63
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000550
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
大腸癌は男女ともに米国の癌発生および死亡率の第3位(2020年時点)であり,その有病率と死亡率の高さから,米国では消化器癌のなかでは歴史的に積極的な医療介入がされてきたものの筆頭である.消化器病専門医で構成されるUSMSTF(United States Multi-Society Task Force)と,おもにプライマリケア医と疫学者からなるUSPSTF(United States Preventative Service Task Force)という異なる二つの大腸癌スクリーニングエキスパートパネルの存在が広く知られる.現在のコンセンサスはaverage risk患者へのスクリーニングは50歳開始で,大腸内視鏡検査もしくは免疫学的便潜血検査が勧められる.これら検査は国民皆保険のない米国ではあるが,原則どの医療保険でも認められている.また昨今,米国で50歳未満で診断される大腸癌患者の増加が医療公衆衛生上大きな注意を引いており,実際にガイドライン改正の議論が始まっている.
Copyright © 2021, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.