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はじめに
ChatGPTが2022年11月に公開され,人工知能(artificial intelligence:AI)が身近に感じられるようになってきた1)。2006年にHintonらによって報告された深層学習(ディープ・ラーニング)はAIの一つの手法であり,ニューラルネットワークを多層に重ね,ファインチューニングを加えることでそれまで問題となっていた過学習を制御し,AIの性能が飛躍的に向上した2)。その後,畳み込みニューラルネットワークとして発展し,AIが画像や音声などの分類の能力においては人類を超えたといわれるまでになった3)。さらに,2017年のTransformerというニューラルネットワークの登場によってChatGPTに代表されるような再帰型ニューラルネットワークを用いた大規模言語モデルの性能が飛躍的に向上し,言葉の意味を深い次元の特徴としてとらえることができるようになり,現在のAIのブレイクスルーとなっている4)。これらのニューラルネットワークを用いたAIは生成AIと呼ばれ,画像やテキストなどの情報で学習された生成AIは,例えば入力する説明文にもとづいて新しい画像を生成することができる(図1)。われわれは,内視鏡診療におけるアンメット・メディカル・ニーズの解消のために,AIのなかでもより知的な推論を行う深層学習を用いて,院内で診療記録として蓄積されるにとどまっていた内視鏡画像を分析・学習させ,内視鏡画像から病変の位置や性状を自動的に推定することができるAIを研究開発し,プログラム医療機器(Software as a Medical Device:SaMD)として承認されてきた(WISE VISIONⓇ)5~9)。
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