特集 全身性疾患における腸管病変─腸管ベーチェット病とその鑑別疾患
Ⅳ.腸管ベーチェット病の鑑別疾患(2)サイトメガロウイルス腸炎
松浦 稔
1
1杏林大学医学部消化器内科学
キーワード:
サイトメガロウイルス
,
日和見感染
,
潰瘍性大腸炎
,
CMV 感染
,
CMV 感染症
Keyword:
サイトメガロウイルス
,
日和見感染
,
潰瘍性大腸炎
,
CMV 感染
,
CMV 感染症
pp.505-511
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000416
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サイトメガロウイルス(CMV)は幼少期に初感染し,その後,終生潜伏感染する.しかしながら,造血幹細胞移植や臓器移植後,後天性免疫不全症候群,化学療法,ステロイドや免疫抑制薬による治療中の患者,高齢者などさまざまな環境下で時にCMV 再活性化(CMV 感染)をきたし,臓器障害(CMV 感染症)の原因となる.消化管はCMV 感染症の好発部位の一つであり,その診断には免疫組織染色やPCR 法により病変部でのCMV 感染を証明することが必須である.CMV 再活性化を生じる病態には宿主の免疫能の低下に加え,TNF-αをはじめとした炎症性サイトカインによるCMV 再活性化の誘導など基礎疾患によっても大きく異なる.CMV 腸炎の治療ではCMV 感染を生じる病態や宿主の臨床転帰に与える影響を考慮したうえで対応することが重要である.
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