特集 腸管感染症
Ⅱ.各論
(5)サイトメガロウイルス感染症─最近の知見
松浦 稔
1
,
本澤 有介
2
,
山本 修司
2
,
妹尾 浩
2
1京都大学医学部附属病院内視鏡部
2京都大学医学部附属病院消化器内科
キーワード:
サイトメガロウイルス
,
日和見感染
,
潰瘍性大腸炎
,
CMV 再活性化
Keyword:
サイトメガロウイルス
,
日和見感染
,
潰瘍性大腸炎
,
CMV 再活性化
pp.167-173
発行日 2019年3月20日
Published Date 2019/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000321
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サイトメガロウイルス(CMV)はヘルペスウイルスに属する二本鎖DNA ウイルスの一つである.通常,幼少期に初感染し,その後生涯にわたり潜伏感染する.しかしながら,造血幹細胞移植や臓器移植後,後天性免疫不全症候群,化学療法,ステロイドや免疫抑制薬による治療中など,免疫抑制状態の患者でしばしばCMV の再活性化が認められる.CMV の再活性化にはTNF-αをはじめとする炎症性サイトカインによる直接的な影響と,基礎疾患や抗癌剤,ステロイド,免疫抑制薬など治療薬剤による宿主の免疫能の低下が関与する.消化管はCMV 感染症の好発部位の一つであるが,その内視鏡像は多彩であり診断に苦慮する場合も少なくなく,今後のさらなる検討が必要である.
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