特集 FIT 陰性癌の特徴
Ⅵ.FIT 陰性癌の症例(2)FIT 陰性であったpT1b 癌
草場 喜雄
1,2
,
鶴田 修
1,2
,
永田 務
1,2
,
大内 彬弘
1,2
,
中根 智幸
1,2
,
福永 秀平
1,2
,
向笠 道太
1,2
,
光山 慶一
1,2
,
鳥村 拓司
1,2
1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
2久留米大学医学部消化器病センター
キーワード:
免疫便潜血検査(FIT)
,
大腸癌検診
,
FIT 陰性癌
,
SM massive 癌
Keyword:
免疫便潜血検査(FIT)
,
大腸癌検診
,
FIT 陰性癌
,
SM massive 癌
pp.457-461
発行日 2019年9月20日
Published Date 2019/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000401
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免疫便潜血検査(fecal immunochemical test;FIT)陰性の上部直腸,径15 mm の0-Ⅱa+Ⅱc,pT1b 癌を経験した.FIT 偽陰性の原因として,① 実際出血していない,② 右側大腸癌は便に血液が均等に混じりやすいのに対し,直腸・S 状結腸癌は部分的にしか血液が付着しないため,摂取部位により偽陰性になりやすいこと,などが考えられた.出血しない大腸癌の存在や,FIT 検査はあくまで採便による簡潔な検査法であることを認識すべきであり,今回の症例は腹満感という症状や大腸癌の家族歴があり,そのような有病リスクのある患者に対してはFIT 陰性であっても内視鏡検診を含めた更なる精密検査の必要性が示唆された.
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