特集 原因不明消化管出血(OGIB)
Ⅲ.患者背景と病歴から組み立てるOGIBの診断戦略(4)Heyde 症候群に伴う小腸出血
田村 俊寛
1
1天理よろづ相談所病院循環器内科
キーワード:
大動脈弁狭窄症
,
後天性フォンウィルブランド病
,
ハイド症候群
,
消化管血管異形成
,
経カテーテル的大動脈弁植込み術
Keyword:
大動脈弁狭窄症
,
後天性フォンウィルブランド病
,
ハイド症候群
,
消化管血管異形成
,
経カテーテル的大動脈弁植込み術
pp.339-344
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000369
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高齢化社会が進んでいるわが国では,日常臨床においてしばしば大動脈弁狭窄症に遭遇する.Heyde 症候群とは,重症大動脈弁狭窄症患者に消化管出血を合併する病態で,消化管血管異形成と後天性フォンウィルブランド病が関与している.上・下部消化管内視鏡で原因が断定できない場合は,小腸からの出血も疑い,カプセル内視鏡が有効なこともある.大動脈弁置換術や経カテーテル的大動脈弁植込み術(TAVI;transcatheter aortic valve implantation)により治癒することが知られており,大動脈弁狭窄症が引き起こす後天性フォンウィルブランド病に消化管出血を合併するHeyde 症候群のことを認識することが肝要である.
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