特集 原因不明消化管出血(OGIB)
Ⅲ.患者背景と病歴から組み立てるOGIBの診断戦略(3)肝疾患を背景にもつ小腸出血
藤森 俊二
1,2
,
星本 相理
2
,
橋野 史彦
2
,
片岡 宏章
2
,
梅田 隆満
2
,
高木 信介
2
,
西本 祟良
1,2
,
大森 順
2
,
岩切 勝彦
2
1日本医科大学千葉北総病院消化器内科
2日本医科大学消化器内科学
キーワード:
原因不明消化管出血
,
肝硬変
,
門脈圧亢進症
,
血管拡張症
,
小腸静脈瘤
Keyword:
原因不明消化管出血
,
肝硬変
,
門脈圧亢進症
,
血管拡張症
,
小腸静脈瘤
pp.334-338
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000368
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肝硬変ではangioectasia や小腸静脈瘤の発生,さらに出血傾向を伴うことから小腸出血が起きやすい状態にある.肝硬変患者では小腸angioectasia が非肝硬変患者と比較して6 倍近く認められると報告されている.同時にangioectasiaの多発傾向も認められ,出血傾向も伴う肝硬変患者ではangioectasiaの治療後も,非肝硬変患者と比較して4 倍もの再出血率が報告されている.門脈圧の亢進と小腸の浮腫に相関が認められ,小腸浮腫で門脈圧が亢進しているかを推定できる可能性がある.門脈圧とangioectasia の間に明らかな相関は認められていない.肝硬変患者では原疾患によりその予後が強く規定されており,小腸出血患者の長期予後の報告はなく,予後は不良と考えられる.
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