特集 小腸疾患に対する最新の内視鏡臨床
6.Heyde症候群の小腸血管性病変の特徴と治療
井上 健
1
,
彌重 匡輝
2
,
全 完
2
,
堀内 久徳
3
,
的場 聖明
2
,
伊藤 義人
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学
2京都府立医科大学大学院医学研究科循環器内科学
3奈良市立看護専門学校
キーワード:
Heyde症候群
,
大動脈弁狭窄症
,
高ずり応力
,
消化管粘膜血管異形成
,
後天性von Willebrand症候群
Keyword:
Heyde症候群
,
大動脈弁狭窄症
,
高ずり応力
,
消化管粘膜血管異形成
,
後天性von Willebrand症候群
pp.1509-1518
発行日 2024年10月20日
Published Date 2024/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003258
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重症大動脈弁狭窄症(AS)においては,その狭窄部での非常に速い血流によって生じる非生理的な過度のずり応力により,止血異常症である後天性von Willebrand症候群(aVWS)が引き起こされる.aVWS発症下では消化管出血が頻発するが,そのなかでもとくにASに合併するものをHeyde症候群という.重症ASでは半数程度の症例で中等度もしくは高度の貧血を認めるが,それらの症例では驚くべきことに94%と高頻度で消化管粘膜血管異形成を認め,とくに小腸では69%と高率であった.これらからの慢性的な出血が貧血の原因と考えられた.経カテーテル的大動脈弁留置術などにて高ずり応力を解除しaVWSを改善させることで,消化管粘膜血管異形成は縮小・消退し,消化管出血が抑制された.
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