特集 大腸腫瘍の分子生物学
Ⅹ.分子生物学的解析のできた症例(3)拡大内視鏡診断と分子生物学的解析が可能であったTSA の癌化症例
久保 俊之
1,2
,
山野 泰穂
1
,
山本 英一郎
3
,
三橋 慧
1
,
鈴木 拓
3
,
長谷川 匡
4
,
永塚 真
5
,
菅井 有
5
,
仲瀬 裕志
1
1札幌医科大学医学部消化器内科学講座
2札幌しらかば台病院消化器内科
3札幌医科大学医学部分子生物学講座
4札幌医科大学医学部病理診断科・病理部
5岩手医科大学医学部病理診断学講座
キーワード:
TSA(traditional serrated adenoma)
,
早期大腸癌
,
鋸歯状病変
,
pit pattern
,
拡大内視鏡
,
遺伝子解析
Keyword:
TSA(traditional serrated adenoma)
,
早期大腸癌
,
鋸歯状病変
,
pit pattern
,
拡大内視鏡
,
遺伝子解析
pp.485-492
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000243
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症例は60 歳代,男性.大腸内視鏡検査にて直腸RS に20 mm 大の発赤隆起性病変を認めた.病変の主体は鋸Ⅳb+鋸ⅣV 型pit pattern を示しtraditionalserrated adenoma(TSA)と診断したが,口側に二段隆起部を認め,同部位のクリスタルバイオレット染色による拡大観察では,ⅤI 高度不整を認め癌と診断した.病理組織学的にはTSA を背景として,隆起部に近い部位では腺腫におけるhigh grade 相当のTSA,隆起部で粘膜内癌と診断した.TSA 部と癌部につき遺伝子解析を行うことができた症例を経験したので報告する.
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