特集 大腸腫瘍の分子生物学
Ⅹ.分子生物学的解析のできた症例(1)SSA/P with cytological dysplasia の1 例
加藤 文一朗
1
,
原田 英嗣
1
,
松下 弘雄
1
,
吉川 健二郎
1
,
田中 義人
1,2
,
山野 泰穂
1,3
,
東海林 琢男
4
,
榎本 克彦
4
,
山本 英一郎
5
,
鈴木 拓
5
1秋田赤十字病院消化器病センター
2岩手医科大学医学部病理診断学講座
3札幌医科大学消化器内科学講座
4秋田赤十字病院病理診断科
5札幌医科大学医学部分子生物学講座
キーワード:
拡大内視鏡
,
SSA/P
,
大腸鋸歯状病変
,
開Ⅱ型
,
CIMP
,
translational research
Keyword:
拡大内視鏡
,
SSA/P
,
大腸鋸歯状病変
,
開Ⅱ型
,
CIMP
,
translational research
pp.469-476
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000241
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70 歳代,女性.全大腸内視鏡検査で横行結腸に約5 mm 大の粘液付着を伴った白色調の平坦隆起性病変を認めた.色素拡大内視鏡観察を行うと,病変中央部では開大したⅡ型pit を認め,開Ⅱ型pit と判断した.その上方ではより隆起が高くなり,分岐化し,大柄となった鋸Ⅳ型pit がみられ,下方でも開Ⅱ型pit と判断したが,個々に独立し島状に存在する“フジツボ”のような所見を呈していた.SSA/P with cytological dysplasia と判断し,内視鏡的粘膜切除術を施行した.病理診断は術前診断どおりであった.遺伝子解析では,開Ⅱ型pit を呈する領域,鋸Ⅳ型pit を呈する領域ともにBRAF 変異,CIMP 陽性であったが,鋸Ⅳ型pit を呈する領域は,基盤となる開Ⅱ型pit を呈する領域と比較し遺伝子のメチル化が高度であり,またhMLH1 メチル化も高値を示した.
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