第28 回大腸Ⅱc 研究会Young Award
経時的変化を追うことのできたSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)with cytological dysplasia の1 例
加藤 文一朗
1
,
松下 弘雄
1
,
吉川 健二郎
1
,
田中 義人
1,2
,
菅井 有
2
,
東海林 琢男
3
,
榎本 克彦
3
,
山本 英一郎
4
,
鈴木 拓
4
1秋田赤十字病院消化器病センター
2岩手医科大学医学部病理診断学講座
3秋田赤十字病院病理診断科
4札幌医科大学医学部分子生物学講座
キーワード:
拡大内視鏡
,
SSA/P
,
大腸鋸歯状病変
,
開Ⅱ型
,
CIMP
,
translational research
Keyword:
拡大内視鏡
,
SSA/P
,
大腸鋸歯状病変
,
開Ⅱ型
,
CIMP
,
translational research
pp.371-378
発行日 2020年11月20日
Published Date 2020/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000526
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症例は70歳代,女性.2006年に施行された下部消化管内視鏡検査で横行結腸肝彎曲部に径6mm大の粘液付着を伴う平坦な隆起性病変を指摘され,経過観察となっていた.2009年の内視鏡検査では病変左側部では右側部と比較し腺管開口部がやや伸長し,大柄となったpit patternが観察された.2011年時の内視鏡検査では6mm大の隆起性病変として認識された.拡大観察では右側辺縁部は開Ⅱ型pit patternがみられ,頂部から左側の大部分ではⅤi型pit patternが観察された.内視鏡診断はAdenocarcinoma with SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp),深達度はcTisと判断し,内視鏡的粘膜切除術を施行した.病理診断は,SSA/P with cytological dysplasiaであった.本症例は経時的に内視鏡像の変化を追うことができた貴重な症例であり,分子生物学的解析も加え報告する.
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