第25 回大腸Ⅱc 研究会 優秀演題
病理・遺伝子背景において興味深い所見を呈した上行結腸癌の1 例
田中 義人
1
,
山野 泰穂
1
,
松下 弘雄
1
,
永塚 真
2
,
菅井 有
2
,
山本 英一郎
3
,
鈴木 拓
4
1秋田赤十字病院消化器病センター,岩手医科大学医学部病理診断学講座
2岩手医科大学医学部病理診断学講座
3札幌医科大学医学部消化器内科学講座,札幌医科大学医学部消化器内科学講座 分子生物学講座
4札幌医科大学医学部消化器内科学講座 分子生物学講座
キーワード:
大腸鋸歯状病変
,
拡大内視鏡
,
伸Ⅱ型
,
serrated pathway
,
CIMP
Keyword:
大腸鋸歯状病変
,
拡大内視鏡
,
伸Ⅱ型
,
serrated pathway
,
CIMP
pp.95-102
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000156
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
70 歳代,男性.便潜血反応陽性の精査として全大腸内視鏡検査を施行したところ,上行結腸に径約20 mm のLST を指摘された.大部分が白色調であったが,一部に発赤調の部分を認め,色素拡大観察では白色調の部分ではⅡ型および伸Ⅱ型pit を,発赤調の部分ではⅤI 型pit およびⅣB 型pit を認めた.以上より過形成性ポリープを由来とし腺腫を経て癌へ進展した病変あるいは衝突病変を疑った.病理組織診断では現在の鋸歯状病変のカテゴリーのいずれにも当てはまらない管状腺管の増殖に管状腺腫と高分化管状腺癌の混在,さらに中分化管状腺癌を認め,深達度はpT1a(SM 300μm),脈管侵襲は陰性であった.遺伝子解析では一元的な癌化病変である可能性が示唆されたが,serrated pathwayやadenoma-carcinoma sequence を支持する所見は認めなかった.
Copyright © 2018, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.