特集 大腸腫瘍の分子生物学
Ⅶ.炎症性発癌と分子異常
田原 智満
1
,
平田 一郎
2
,
柴田 知行
1
,
大宮 直木
1
1藤田保健衛生大学医学部・消化管内科学教室
2大阪中央病院消化器内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
炎症性発癌
,
分子異常
,
DNA メチル化
,
遺伝子変異
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
炎症性発癌
,
分子異常
,
DNA メチル化
,
遺伝子変異
pp.451-456
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000238
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潰瘍性大腸炎(UC)関連大腸癌(UC-associated cancer;UCAC)の発癌には持続する慢性炎症が関与しており(炎症性発癌),UC の炎症粘膜では加齢により認められるDNA メチル化(age-related methylation)の亢進を認め,腫瘍合併例において顕著であることより,DNA メチル化が UC における炎症性発癌の早期の重要なメカニズムであると考えられる.UCAC において,癌抑制遺伝子TP53 の変異を高率に認めるが,散発性大腸癌に認められるAPC,KRASの変異は低率である.UC の炎症性発癌におけるage-related methylation と,TP53 変異をつなぐメカニズムの解明が待たれる.
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