特集 大腸腫瘍の分子生物学
Ⅵ.遺伝性(家族性)消化管腫瘍における分子異常
田村 和朗
1
1近畿大学理工学部生命科学科分子生物学
キーワード:
遺伝性(家族性)消化管腫瘍
,
遺伝学的検査
,
癌原遺伝子
,
癌抑制遺伝子
,
ゲノム解析
Keyword:
遺伝性(家族性)消化管腫瘍
,
遺伝学的検査
,
癌原遺伝子
,
癌抑制遺伝子
,
ゲノム解析
pp.443-450
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000237
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遺伝性(家族性)消化管腫瘍は常染色体性優性遺伝形式が多く,発端者の子孫は50%リスクを有する.それぞれの原因遺伝子が単離され,疾患の統合的理解とともに遺伝学的検査が可能となってきた.遺伝学的検査を用いた発症前診断が行われるならば癌の早期診断が徹底され,癌対策上大きく貢献することが期待される.遺伝的異質性が存在するので,遺伝学的検査は鑑別診断に力を発揮する.疾患と癌関連遺伝子の特徴と特殊性を十分把握し,遺伝学的検査を癌診療向上のために活用する癌ゲノム医療が実装されることが望まれる.
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