炎症性腸疾患診療のupdate
Ⅳ 炎症性腸疾患の診断 ⑤炎症性発癌とサーベイランス
畑 啓介
1
,
品川 貴秀
1
,
石原 聡一郎
1
1東京大学腫瘍外科
キーワード:
炎症性発癌
,
大腸内視鏡
,
サーベイランス
,
dysplasia
,
狙撃生検
Keyword:
炎症性発癌
,
大腸内視鏡
,
サーベイランス
,
dysplasia
,
狙撃生検
pp.794-798
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000803
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炎症性腸疾患(IBD)が消化管癌のハイリスクであることはよく知られている.潰瘍性大腸炎(UC)合併大腸癌においてはサーベイランスを経て発見された症例はそうでない症例と比較して有意に早期に発見され,全生存率も有意に良好である.そのため大腸癌のハイリスクである長期罹患の全大腸炎型・左側大腸炎型の潰瘍性大腸炎症例では,大腸内視鏡によるサーベイランスを定期的に行うことが早期発見のために重要である.一方でクローン病(CD)に合併する消化管癌としては大腸癌のほかに,一般集団では頻度が低い小腸癌や直腸肛門部の癌がみられることが特徴であるが,そのサーベイランス法は未だ確立されていないのが現状である.本稿では,IBD に合併する大腸癌の特徴,治療法,サーベイランス法に関して新しい知見も含めて概説する.
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