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特集 症例から学ぶ胃ESD―改訂ガイドラインwith and beyond―
[各論 痛恨の症例から学ぶ]
ESD中の過剰・頻回な止血が原因で起こった遅発性穿孔
A case developing delayed perforation due to excessive and frequent hemostasis during ESD
和田 拓也
1
,
田邉 聡
2
,
北原 言
1
,
久保田 陽
1
,
古江 康明
1
,
渡辺 晃識
1
,
石戸 謙次
1
,
一戸 昌明
3
,
草野 央
1
Takuya Wada
1
,
Satoshi Tanabe
2
,
Gen Kitahara
1
,
Yo Kubota
1
,
Yasuaki Furue
1
,
Akinori Watanabe
1
,
Kenji Ishido
1
,
Masaaki Ichinohe
3
,
Chika Kusano
1
1北里大学医学部消化器内科学
2北里大学医学部新世紀医療開発センター
3北里大学医学部病理学
キーワード:
ESD
,
偶発症
,
遅発性穿孔
Keyword:
ESD
,
偶発症
,
遅発性穿孔
pp.1206-1211
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000258
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はじめに
胃ESD後の遅発性穿孔はtransmural burnにより遅発性に壊死組織が脱落して穿孔をきたすと考えられる1)。その発生頻度は0.43~0.5%と報告されている2)。術中穿孔は比較的小型の穿孔が多く,周囲組織も脆弱ではないためクリップやOver-The-Scope Clip(OTSCⓇ)systemによる縫縮で対応可能であることが多い。しかし遅発性穿孔は比較的大きな欠損孔であることが多く,周囲組織も壊死を伴い脆弱となっているため閉鎖困難であり外科手術が必要なことが多い。本稿では胃ESD後の遅発性穿孔を中心に症例を提示するとともに,その原因と予防について概説する。
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