特集 内視鏡治療の偶発症と対策
Ⅷ.大腸ステント留置術の偶発症とその対策
桑井 寿雄
1
,
山口 敏紀
1
,
今川 宏樹
1
,
高砂 健
1
,
西村 朋之
1
,
山口 厚
1
,
河野 博孝
1
,
高野 弘嗣
1
1独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター消化器内科,独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター消化器内科内視鏡センター
キーワード:
大腸ステント留置術
,
大腸悪性狭窄
,
CROSS
,
偶発症
,
穿孔
,
再閉塞
Keyword:
大腸ステント留置術
,
大腸悪性狭窄
,
CROSS
,
偶発症
,
穿孔
,
再閉塞
pp.165-171
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000169
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本邦の大腸ステント留置術の成績は,海外からの報告と比べても非常に良好で,安全に施行されていると考えられる.しかしその偶発症はさまざまで,いったん発症すると急激に状態が悪化するものもあり細心の注意が必要である.対策としては,まずしっかりと適応を見極め,予防的な留置は避けることである.そして事前に困難例を予測し,安全な手技に精通しておく必要がある.また,ステントの特徴を知り適切に使用することも大切である.穿孔に対してはその危険因子(ステントの種類,ベバシズマブの使用など)を可能なかぎり避け,再閉塞に対してはstent in stent などで迅速に対応する.そして残念にも偶発症が起きてしまったときには内科と外科が緊密に連携して治療にあたることが何よりも大事である.
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