特集 内視鏡治療の偶発症と対策
Ⅹ.偶発症の対応におけるKnack and pitfall(2)切除後潰瘍と穿孔縫縮法のコツと注意点 a.クリップによる縫縮法
鴫田 賢次郎
1
,
永田 信二
2
,
小川 裕太郎
2
,
下原 康嗣
2
,
玉理 太覚
2
,
朝山 直樹
2
,
青山 大輝
2
,
福本 晃
1
,
向井 伸一
2
1広島市立安佐市民病院内視鏡内科
2広島市立安佐市民病院内視鏡内科 消化器内科
キーワード:
クリップ縫縮
,
穿孔
,
切除後潰瘍
,
大腸EMR
,
大腸ESD
Keyword:
クリップ縫縮
,
穿孔
,
切除後潰瘍
,
大腸EMR
,
大腸ESD
pp.183-188
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000172
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腫瘍径の大きな大腸腫瘍に対する大腸内視鏡的粘膜切除術(EMR)や大腸内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)でもっとも注意が必要な偶発症は穿孔であり,穿孔時の迅速かつ適切な対応には習熟している必要がある.スネアにて切除するEMR では比較的大きな穿孔を生じるが,粘膜欠損はESD と比較して小さく,潰瘍の両端からクリッピングし完全縫縮を行う.ESD においては剝離時の小穿孔が多く,慌てずにクリップを掛ける「のりしろ」を作ってからクリッピングする.また大腸ESD 切除後潰瘍の縫縮では,両端からクリップを掛け徐々に潰瘍の幅を狭めていくことが基本であり,平面にある潰瘍底であれば比較的大きな粘膜欠損であっても完全縫縮は可能である.
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