特集 内視鏡治療の偶発症と対策
Ⅹ.偶発症の対応におけるKnack and pitfall(2)切除後潰瘍と穿孔縫縮法のコツと注意点 b.留置スネアによる巾着縫合法
日原 大輔
1
,
高丸 博之
1
,
坂本 琢
1
,
山田 真善
1
,
関口 正宇
1
,
松田 尚久
1
,
斎藤 豊
1
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
キーワード:
巾着縫合法
,
留置スネア
,
2 チャンネルスコープ
,
切除後潰瘍
,
偶発症
Keyword:
巾着縫合法
,
留置スネア
,
2 チャンネルスコープ
,
切除後潰瘍
,
偶発症
pp.189-192
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000173
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巾着縫合術は,大腸病変に対する内視鏡切除後の大きな切除潰瘍面の出血予防や腸管穿孔に対する内視鏡的完全縫縮に有用な方法の一つである.本法はクリップ単独による縫縮が困難な大きさを有する切除後潰瘍や,腸管穿孔,またはそれが疑われる切除後潰瘍がよい適用と考えられる.必要器具は2 チャンネルスコープ,留置スネア,クリップであり,以下にこれらの使用手順を示す.① 2 チャンネルスコープを用いて一つ目の鉗子口から留置スネアを出した後に,もう一方の鉗子孔から出したクリップにて留置スネアのループを把持しつつ,口側に固定する.② 肛門側もクリップを用いてループを固定する.③ 留置スネアを絞扼していくことで,口側と肛門側を近接させる.④ その後適宜クリップを追加し,縫縮する.以上の手技により,強固な完全縫合が可能となる.内視鏡治療における偶発症に対し有用な手技の一つである留置スネアを用いた巾着縫合法のコツと注意点について概説する.
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