特集 IBD 関連大腸腫瘍の診断・治療update
Ⅷ.潰瘍性大腸炎関連大腸腫瘍の治療方針と経過観察
樋田 信幸
1
,
中村 志郎
1
1兵庫医科大学炎症性腸疾患学講座内科部門
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
dysplasia
,
大腸癌
,
取り扱い
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
dysplasia
,
大腸癌
,
取り扱い
pp.59-64
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000149
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潰瘍性大腸炎に発生するdysplasia の自然史は十分に解明されておらず,診断後の取り扱いに関する見解は一致していない.元来,内視鏡で認識されるdysplasia はDALM と呼ばれ,手術適応とされてきた.しかし,DALM には多様な病変が混在しており,その取り扱いに混乱が生じていたため,近年発表されたSCENIC consensus statement ではDALM の概念を排除した新たな形態用語が提唱されている.SCENIC では内視鏡切除が可能な境界明瞭なpolypoiddysplasia に対しては大腸全摘よりも内視鏡切除後のサーベイランス継続が推奨されているが,そのエビデンスは低い.dysplasia の患者に大腸全摘術を行うか,内視鏡治療や経過観察を行うかについては,個々の患者の病変形態,異型度などを考慮して,慎重に決定する必要がある.
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