Japanese
English
特集 大腸の炎症を内視鏡で診る
[IBD関連大腸腫瘍の内視鏡診療]
潰瘍性大腸炎関連腫瘍の内視鏡診断
Endoscopic diagnosis of UC-associated neoplasm
岩男 泰
1
,
杉本 真也
2
,
高林 馨
3
,
筋野 智久
3
,
清原 裕貴
2
,
吉松 裕介
2
,
三上 洋平
2
,
金井 隆典
2
,
川井田 みほ
4
,
下田 将之
5
Yasushi Iwao
1
,
Shinya Sugimoto
2
,
Kaoru Takabayashi
3
,
Tomohisa Sujino
3
,
Hirotaka Kiyohara
2
,
Yusuke Yoshimatsu
2
,
Yohei Mikami
2
,
Takanori Kanai
2
,
Miho Kawaida
4
,
Masayuki Shimoda
5
1慶應義塾大学予防医療センター
2慶應義塾大学消化器内科
3慶應義塾大学内視鏡センター
4慶應義塾大学病理診断科
5東京慈恵会医科大学病理学講座
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
大腸癌
,
dysplasia
,
初期病変
,
サーベイランス
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
大腸癌
,
dysplasia
,
初期病変
,
サーベイランス
pp.1571-1578
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001753
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はじめに
潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)はさまざまな腸管および腸管外合併症を伴うが,特に重大な合併症として,慢性炎症を背景とする大腸癌(UC-associated colorectal cancer:UCAN)の発生がある。累積発癌率は発症30年で5〜7%程度と高率であり1,2),急性期重症例の治療が進歩した現在,UCの予後を左右する最大の要因といって過言ではない。定期的な内視鏡による癌サーベイランスが推奨されているが,UCANは通常の大腸腫瘍とは性状が大きく異なるため,内視鏡診断にあたっては臨床病理学的な特殊性を理解しておく必要がある。本稿ではUCANの初期病変の病理組織学的な成り立ちや,それに伴う内視鏡像の特徴について自験例を提示し,内視鏡サーベイランスの基本的な考え方,内視鏡診断の実際について解説する。
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