特集 小腸の炎症性病変を見直す
Ⅱ.各論 ( 8 )家族性地中海熱の小腸病変
仲瀬 裕志
1
,
小柏 剛
2
,
国崎 玲子
2
,
長末 智寛
3
,
梁井 俊一
5
,
松本 主之
5
,
堀木 紀行
6
,
柿本 一城
7
,
樋口 和秀
7
1札幌医科大学消化器内科学講座
2横浜市立大学附属市民総合医療センター炎症性腸疾患(IBD)センター
3松山赤十字病院胃腸センター、九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
5岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野
6三重大学医学部附属病院光学医療診療部
7大阪医科大学第二内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
インフラマソーム
,
家族性地中海熱
,
IL-1β
,
ピリンタンパク
Keyword:
炎症性腸疾患
,
インフラマソーム
,
家族性地中海熱
,
IL-1β
,
ピリンタンパク
pp.542-547
発行日 2017年11月20日
Published Date 2017/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000119
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家族性地中海熱(Familial Mediterranean fever;FMF)は周期性発熱と漿膜炎を特徴とする遺伝性炎症性疾患である.高熱と腹膜炎に由来する腹痛がもっとも高頻度にみられるが,漿膜炎が主体であるため腸管病変を伴うことはまれとされてきた.近年,大腸病変を有するFMF 症例が報告されつつある.一方,小腸病変についての報告は限られている.今回,FMF の小腸病変に関する本邦並びに海外での報告例をまとめ,その特徴について論じる.FMF 患者に認められた小腸病変は,主としてびらん,潰瘍,浮腫などが多くを占めていた.花びら模様を呈する粘膜発赤は特徴的所見の一つかもしれない.FMF の小腸病変の臨床的特徴を明らかするためには,さらなる症例の集積が必要となろう.
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