特集 小腸の炎症性病変を見直す
Ⅱ.各論 ( 9 )Collagenous sprue の特徴と内視鏡所見
山田 武史
1
,
金子 剛
1
,
溝上 裕士
1
1筑波大学附属病院光学医療診療部
キーワード:
コラゲナススプルー
,
吸収不良症候群
,
上皮下膠原線維帯
,
絨毛萎縮
,
自己免疫
Keyword:
コラゲナススプルー
,
吸収不良症候群
,
上皮下膠原線維帯
,
絨毛萎縮
,
自己免疫
pp.548-553
発行日 2017年11月20日
Published Date 2017/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000120
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
われわれは2013 年に国内初となるcollagenous sprue の症例を報告し,カプセル内視鏡でのフォローアップにて小腸粘膜の治癒過程を初めて確認している.本疾患は,重度の吸収不良をきたし,十二指腸から空腸に絨毛萎縮を伴った特徴的な内視鏡像を呈する.病理学的には,粘膜上皮直下の膠原線維帯と,粘膜上皮内のリンパ球浸潤および陰窩減少・絨毛萎縮を呈する.しばしば低グルテン食に抵抗性をきたし,セリアック病に特異的なIgA 抗組織トランスグルタミナーゼ抗体やHLA-DQ2 は陰性である.一部の患者では,十二指腸上皮内のIgG4陽性形質細胞浸潤が認められ,成因に関与している可能性が指摘されている.また,ACE 阻害薬やNSAID との関連を指摘する報告もみられる.自験例を紹介しつつ,本疾患の最新のエビデンスをレビューする.
Copyright © 2017, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.