Japanese
English
今月の主題 狭窄を来す小腸疾患の診断
主題症例
家族性地中海熱
Familial Mediterranean Fever
江﨑 幹宏
1
,
河野 真一
1
1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
キーワード:
家族性地中海熱
,
小腸病変
,
MEFV遺伝子
,
浮腫状結節状粘膜
,
周期性炎症
Keyword:
家族性地中海熱
,
小腸病変
,
MEFV遺伝子
,
浮腫状結節状粘膜
,
周期性炎症
pp.1722-1723
発行日 2016年12月25日
Published Date 2016/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200796
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
症例
患者は30歳代,女性.1〜2か月ごとに繰り返す38〜39℃台の発熱と上腹部痛および背部痛の精査目的で当科に紹介された.受診時の血液検査では異常を認めなかったが,2週間後の症状出現時にはWBC 28,900/μl,CRP 10.72mg/dlと高度の炎症所見を認めた.緊急上部消化管内視鏡検査では,十二指腸水平脚に発赤・びらんの多発を伴った浮腫状結節状粘膜(❶)を認めたが,生検組織では高度の炎症細胞浸潤を認めるのみであった(❷).
感染症を否定した後に経口プレドニゾロン40mg/dayで治療を開始したが,25mg/dayに漸減した段階で症状が再燃した.再評価目的に行ったゾンデ法小腸X線造影検査(7か月後:有症状時)では,十二指腸水平脚から上部空腸にかけて粘膜は結節状変化を呈し,特に十二指腸では壁の伸展性が低下し,管腔狭小化を伴っていた(❸).内視鏡検査(9か月後:有症状時)では,同部位に結節状隆起が密在し管腔は狭小化していた(❹,❺).
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.