特集 直腸早期癌 ─治療の新たな展開
Ⅲ.内視鏡治療(3)直腸ESD の合併症(狭窄やimplantation)の予防と対策
石垣 智之
1
,
工藤 進英
1
,
林 武雅
1
,
桜井 達也
1
,
豊嶋 直也
1
,
工藤 豊樹
1
,
若村 邦彦
1
,
宮地 英行
1
,
石田 文生
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
キーワード:
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
狭窄
,
implantation
Keyword:
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
狭窄
,
implantation
pp.227-232
発行日 2017年5月20日
Published Date 2017/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000056
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大きな病変に対しても内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD;endoscopic submucosaldissection)での一括切除が可能な時代となってきた.直腸では狭窄のリスクファクター,狭窄予防におけるステロイド治療の有効性が証明されていない.当院ではESD 後の初回大腸内視鏡検査は基本的に6 カ月後に施行している.それ以前に腹満感などの症状を認めた場合には内服治療を行い,それでも症状が改善しない場合には内視鏡的に狭窄の評価を行っている.当院での直腸ESD 後の狭窄有無に関するretrospective study では,ESD 後の潰瘍面が90%未満の症例では1 例も狭窄を認めなかった.予防的なステロイド投与は行っていないが,狭窄をきたした3 症例はすべて,1〜3 回の内視鏡的拡張術で保存的加療が可能であった.当院ではESD 後のimplantation の予防として,ESD 後の潰瘍面を500 ml 以上の生理食塩水で洗浄している.
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