特集 直腸早期癌 ─治療の新たな展開
Ⅲ.内視鏡治療(2)歯状線に接する病変のESD
鴫田 賢次郎
1
,
田中 信治
1
,
田丸 弓弦
2
,
林 奈那
1
,
岡 志郎
1
,
茶山 一彰
2
1広島大学大学院医歯薬保健学研究科内視鏡医学
2同 消化器・代謝内科学
キーワード:
ESD大腸腫瘍
,
内視鏡治療
,
歯状線
,
肛門管
,
痔核
Keyword:
ESD大腸腫瘍
,
内視鏡治療
,
歯状線
,
肛門管
,
痔核
pp.219-226
発行日 2017年5月20日
Published Date 2017/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000055
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直腸Rb のなかでも歯状線に近い領域(肛門管)は,① 直腸粘膜下層には静脈叢(痔核を含む)が発達しているため術中・術後出血の高リスク,② 歯状線を境に肛門側に存在する扁平上皮領域の知覚神経により治療中に痛みを伴いやすい,③ 肛門括約筋の近接による狭い管腔により展開した良好な視野が得られない,などの理由で,内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection;ESD)の難易度の高い部位とされる.しかし,種々の工夫を駆使することで歯状線に接する病変に対しても安全に施行可能である.本稿では,歯状線に接する病変に対するESD の手技の工夫と実際について,当科の治療成績を含めて解説した.
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