特集 直腸早期癌 ─治療の新たな展開
Ⅳ.直腸早期癌に対する経肛門的切除術
岡本 康介
1
,
松島 誠
1
,
小菅 経子
1
,
杉田 博俊
1
,
香取 玲美
1
,
河野 洋一
1
,
長谷川 信吾
1
,
下島 裕寛
1
,
黒水 丈次
1
1松島病院大腸肛門病センター
キーワード:
直腸癌
,
経肛門的切除術
,
早期癌
,
局所切除
,
combination operation
Keyword:
直腸癌
,
経肛門的切除術
,
早期癌
,
局所切除
,
combination operation
pp.233-239
発行日 2017年5月20日
Published Date 2017/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000057
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早期直腸癌,直腸腺腫などの腫瘍性病変の治療法は,経肛門的切除術に代わり内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)が多くの施設で行われている.しかし癌浸潤の正確な診断,外科的追加腸切除の必要性の判定には一括切除が望ましく,分割切除では不完全切除率が高くなり局所再発率も高まると言われ,経肛門的切除術による確実な切除も選択肢の一つである.適切な視野展開による手技が一括切除の重要な鍵となるが,さらに,この術式とESD の手技を併用したコンビネーション手術は,肛門側からの操作をより確実に行うことが可能となる.また痔核など肛門疾患が併存する場合は出血のリスクに容易に対応できる良い術式である.肛門管に近い腫瘍の切除後は術後合併症の肛門狭窄の予防と局所再発の定期的経過観察が大切である.
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