特集 肝硬変 ―病態と診断の最新知見
3.診断・評価(4)超音波エラストグラフィによる非侵襲的肝線維化評価と臨床応用―MASLDにおける意義
黒田 英克
1
1岩手医科大学内科学講座消化器内科分野
キーワード:
肝硬度測定
,
超音波エラストグラフィ
,
MASLD
Keyword:
肝硬度測定
,
超音波エラストグラフィ
,
MASLD
pp.772-779
発行日 2025年6月20日
Published Date 2025/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003502
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超音波エラストグラフィは非侵襲的肝線維化診断法として確立された技術である.本法は主としてVCTE,pSWE,2D-SWEの3種類に大別され,各々固有の測定原理と特性を有する.VCTEは臨床エビデンスが豊富だが腹水例での測定に制約がある.pSWEはBモード下で実施され腹水例でも測定可能,2D-SWEは組織弾性のリアルタイム視覚評価を実現する.MASLD診療では肝線維化が重要な予後因子であり,超音波エラストグラフィは高度線維化および肝硬変の診断において優れた精度(AUROC値0.90-0.95)を示すことが実証されている.本技術の臨床導入により肝生検の施行頻度は減少し,肝疾患管理における診断・治療パラダイムに変革をもたらしている.

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