特集 肝硬変 ―病態と診断の最新知見
3.診断・評価(5)MRエラストグラフィによる画像診断,肝硬度測定
今城 健人
1
,
米田 正人
2
,
中島 淳
3
1新百合ヶ丘総合病院消化器内科
2横浜市立大学附属病院国際臨床肝疾患センター
3横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室
キーワード:
肝線維化診断
,
門脈圧亢進症
,
point of no return
,
非侵襲的診断法
Keyword:
肝線維化診断
,
門脈圧亢進症
,
point of no return
,
非侵襲的診断法
pp.780-787
発行日 2025年6月20日
Published Date 2025/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003503
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肝炎ウイルス治療薬の進歩に伴いこれまで治療が困難であった患者に対してもウイルス排除が可能となっているが,とくに肝線維化進展例ではウイルス排除後にも発癌の可能性がある.また,近年増加している代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)は,その一部が代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)であり,MASHの一部が肝硬変や肝細胞癌へ至る.すなわち,慢性肝疾患においては肝硬変という終着点に対して,今どの位置にあるのかを正確に評価する必要がある.これまでのgold standardである肝生検による病理診断はその侵襲性や診断にかかるコスト,サンプリングエラー,観察者間での診断のばらつきなど多くの問題がある.そこで,その代替法として開発されてきたのが画像診断モダリティを用いた肝弾性率測定(エラストグラフィ)である.本稿ではMRI技術の発展に伴い使用可能となったMRエラストグラフィ(MRE)の肝硬変診断における有用性について概説する.

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