特集 注目すべき高齢者の腹部救急疾患診療
2.内科・外科の視点から(2)高齢者の閉塞性大腸癌に対するステント治療
斉田 芳久
1
1東邦大学医療センター大橋病院外科
キーワード:
大腸ステント
,
閉塞性大腸癌
,
CROSS
,
BTS(bridge to surgery)
Keyword:
大腸ステント
,
閉塞性大腸癌
,
CROSS
,
BTS(bridge to surgery)
pp.416-424
発行日 2025年3月20日
Published Date 2025/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003407
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高齢者の腹部救急疾患診療として腸閉塞を伴う閉塞性大腸癌,いわゆる“大腸癌イレウス”は比較的よく遭遇する病態である.その治療としての大腸ステントは閉塞性大腸癌の緩和治療に加えて,腸閉塞を解除して緊急手術を回避し安全な一期的手術に橋渡しするbridge to surgery (BTS)にも使用されている.低侵襲であり,治療方針決定に対して時間的余裕ができる大腸ステント治療は,高齢者の治療として最適である.大腸ステントの治療に関しては,穿孔をはじめとする偶発症の発生は,高齢者では重篤な結果の原因になる.その予防のためには,大腸ステント安全手技研究会のミニガイドラインを参考に,安全な留置の方法の熟知とともに環境整備をしておく必要がある.

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