特集 急性腹症の外科手術2018
閉塞性大腸癌に対する治療戦略と手術
長尾 さやか
1
,
斉田 芳久
1
,
榎本 俊行
1
,
髙橋 亜紗子
1
,
草地 信也
1
1東邦大学医療センター大橋病院外科
キーワード:
閉塞性大腸癌
,
大腸ステント
,
腹腔鏡手術
Keyword:
閉塞性大腸癌
,
大腸ステント
,
腹腔鏡手術
pp.277-284
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000596
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閉塞性大腸癌の頻度は全大腸癌の10〜15%で,大腸閉塞のうち悪性疾患の占める割合は約60%とされる1)。大腸癌症例の増加に伴って,日常臨床で遭遇する機会は少なくない。発見時に完全な腸閉塞状態で発見される大腸癌はoncologicemergency としての対応が必要である。閉塞性大腸癌に対する緊急手術では周術期合併症のリスクが高まること,腸閉塞を伴う大腸癌の予後は通常の大腸癌より予後が悪いとの報告もある2)ため,腸閉塞症状に対してのみならず大腸癌の治療という側面からの治療戦略も重要となる。減圧方法や手術術式の選択については,患者の全身状態,腫瘍の占居部位,根治性,外科医の技量など,さまざまな因子を検討し慎重に検討する必要がある。
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