特集 閉塞性大腸癌の治療戦略と手術
3.閉塞性大腸癌に対するbridge to surgery 1)大腸ステントの立場から
松田 明久
1
,
山田 岳史
1
,
吉田 寛
1
1日本医科大学消化器外科
キーワード:
閉塞性大腸癌
,
大腸ステント
,
経肛門的減圧管
Keyword:
閉塞性大腸癌
,
大腸ステント
,
経肛門的減圧管
pp.546-551
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003274
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閉塞性大腸癌は適切な減圧処置がなされないと電解質異常,bacterial translocation,腸管壊死,穿孔からひいては死に至り得る重篤な病態である。さらに,根治可能症例においては,術後合併症などの短期予後と腫瘍学的予後の両者のバランスが取れた治療を選択するのが非常に困難な病態でもある。閉塞性大腸癌に対する原発巣切除を伴う緊急手術の高い人工肛門造設率,術後合併症率,致死率は長きにわたり警鐘が鳴らされており,周術期管理の進歩した現在においてもhigh riskな手術と言わざるを得ない。わが国において,2012年に腸管減圧目的の金属製自己拡張型大腸ステント(self-expandable metallic stent;SEMS)が保険収載され,閉塞性大腸癌治療が大きく変化している。
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