特集 慢性便秘症の診療のポイント
8.慢性便秘症に対する外科的治療
河原 秀次郎
1,2
1国立病院機構西埼玉中央病院外科
2東京慈恵会医科大学客員教授(外科学)
キーワード:
腹腔内凍結
,
結腸運動機能不全
,
排便回数減少型
,
結腸全摘術
,
順行性浣腸
Keyword:
腹腔内凍結
,
結腸運動機能不全
,
排便回数減少型
,
結腸全摘術
,
順行性浣腸
pp.363-367
発行日 2025年2月20日
Published Date 2025/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003385
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慢性便秘症は,その症状から排便回数減少型(便が出ない)と排便困難型(便が出せない)の二つに分類されている.排便回数減少型便秘症で結腸通過遅延症とは,大腸通過遅延型便秘症+非狭窄性器質性便秘症(小腸・結腸障害型)のことであり,日常最も遭遇する機会が多い便秘症である.腸管に拡張がみられない機能性便秘症が外科的治療の対象となる症例はきわめてまれであるが,非狭窄性器質性便秘症(小腸・結腸障害型)はその症状の重症度によっては外科的治療の対象となる.結腸運動機能障害のため結腸が拡張し腸内容の移送能が低下した症例に対して,腸管内洗浄を行って排便を促す治療法が順行性浣腸法である.一方,病状がさらに進行して結腸運動機能不全のため腸内容が長時間停滞している症例(frozen abdomen)に対して,収縮能が消失した結腸を切除する治療法が結腸切除術である.
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